ストーリー

もし、あなたが部屋の壁に小さな「穴」を見つけたら・・・。


あの場所は夢とうつつの境界でした。あそこを過ぎると、もう迷宮です。

古都・鎌倉、切通し。そこを過ぎたところにある、古いアパートでひとりの男が小説を書いている。
名前は真木栗勉(ルビ:まきぐり べん)。売れない小説家だ。
その真木栗に、書けるはずもない官能小説の依頼が舞い込む。書けずに悩む真木栗は、ひょんなことから、部屋の壁に小さな「穴」を見つける。そして穴の発見にあわせるように、隣の部屋に白い日傘をさした女が引っ越して来た。これが夢とも現実ともつかない幻想の始まりとなった。真木栗は、取り憑かれたようにその穴からのぞき見たことを小説に書き始め、知らないうちに女の虜になっていき、妖しい世界にのめり込んでいくのだった・・・。
観客がまるで、真木栗と共に穴から隣の部屋をのぞき込んでいるかのように。

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